ASYL(株式会社アジール)は、2007年より日本橋大伝馬町を拠点に活動を開始したデザイン会社です。
前身のASYL DESIGN(株式会社アジール・デザイン)は、1997年に『WIRED(ワイアード)』日本版のアートディレクションおよびクリエイティブディレクションを終えた佐藤直樹が、より広範なフィールドにおけるデザイン活動を目指し、1998年にスタート。以来、イベントのトータルディレクションに始まり、音楽・映画・演劇・ファッション・出版・コンピュータ・通信等々、多種多様な業界と関わりを持ちながら仕事をすすめてきました。
2003年より「CET(Central East Tokyo)エリア」を活性化する運動に取り組み始め、2004年にはASYL CRACK(株式会社アジール・クラック)を設立。多岐に渡る活動の文化的側面と経済的側面を同時にコントロールする組織的実験の時期を経て、2007年にASYL DESIGNとASYL CRACKを統合。プロジェクト単位で編成を考え、布陣を有機的に組み換える現在のスタイルをつくりました。それが2007年にスタートした現在のASYLです。
社名に選んだ「アジール」は、制度的な概念にはない「自由領域」を意味する言葉です。現在のように、すべての土地が明確な境界で区切られ、法的・統治的に「曖昧なエリア」が存在できなくなってしまうと、それ以外のありかたは現実的に認められないだけでなく、想像の上でも難しくなっていきます。けれどかつて「アジール」は世界中に存在していました。その形態や役割が多岐に及んでいたことも知られています。が、実体としては、もうどこにも存在しません。しかしだからこそ、見えない「アジール」は今もわたしたちの想像力を喚起して止まず、のっぺりとした効率的な価値観への対抗軸として、これからも生き続けていくのだと思います。