CET08始動
今年のCETは12月5日〜14日に決定。つまり開催まで2ヶ月ないわけですが、現時点では何をやるかまだ決まってません(笑)。イベントと名のつくものに少しでも関わった経験のある人ならば信じられないことでしょう。しかしCETは毎年こんな具合。
最大の理由は、空き物件を会場にするという特殊な事情によります。どんなに惚れ込んだ会場候補だろうと「諸事情により使えなくなりました」「借り手が現れましたので」 なんてことも。普通のイベントでそんなことはまずありますまい(と無意味にちょっと誇らしげ)。
今月いっぱいで会場を確定し、そのタイミングで周辺に声をかけ、いろんな人に現場を見てもらい、そこから生まれるインスピレーションを頼りに企画を考えます。そのプロセス自体が即興芸のようなものなのかもしれません。あまり手持ちの芸を大事にし過ぎてもうまくいかないのです。
と書きつつ「何をもってうまくいったと言うべきか」そこがそもそも謎と言えば謎なんですが、皆無だったアトリエやギャラリーが集まり、デザイナーや建築家のオフィスも増え、ユニークなショップやカフェ、外国人のためのドミトリーなどもちらほらとでき始め、当初から僕らが口にしていた「変化」は間違いなく現実のものになりつつあります。
「従来にはなかった」ということを毎年重ね、「誰もここを会場にしようとは思わないだろう」という場所を開拓し、結果その場所に借り手がつき、翌年はまた振り出しから、そんなふうにCETの放浪は続いてきました。「もう場所ないんじゃない?」「ていうかもういいでしょ」......そんな思いが過る頃、また思いがけないものに出会ってしまう。空間の力は本当に大きい。面白い物件は、そこに足を踏み入れたとたん、血湧き肉踊るものなのです。
2003年時点ではまるごと空いてしまっているようなビルも珍しくなく、その状況が街にとって好ましくなかったからこそCETは始まりました。未開拓物件(?)が見出しにくくなった今、CETはもう役割を終えたのではないか、そう考えてしまってもいいんですが、それだけでは済まない面がCETにはあるのです。それはアートやデザインや建築に関わる問題でもあります。
この街はこれからだってまだ変わっていかざるをえません。新しい表情を見せ始めているとは言え、ここはあくまで問屋街。成功した過去があるだけに時代とのズレに多少の自覚があっても業態の転換は容易じゃありません。しかし変わらないという選択はないのです。そこに誰も何のビジョンも持てずにいるから、少し前の不動産バブルなんかにはめっぽう弱かった。
そんな状況を前にして、アートやデザインや建築はどんな力を持てるのか。CET08が終わったらすぐ次の準備に入ることになると思います。こんなことは今まで考えたこともありませんでした。が、「空き物件を会場にするという特殊な事情」に左右されない、新しい核のようなものをつくらなければならない時期に来ているようです。[SATO]


















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