2000/04/01

「InterCommunication」誌からの依頼原稿を書く。5月26日発売の号に載るんだそうだ。しかしあんな高尚な雑誌にワタシなんかが文章書いてて大丈夫なのか。かなり心配だ。

ところで「InterCommunication」の読者ってあたま良すぎな感じがするんだけど気のせいかな。「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」という諺もあるけど。って余計なお世話ですね。すんません。(アジールデザイン・無駄口担当=S)



2000/04/02

HPのリニューアル作業は、試行錯誤ながら進んでいる。おそらく4月中にできることは、若干のマイナーチェンジだろうが、元SGIのFくんの加入によって、ウェブというものをいろんな角度から考え直すことができるようになってきた。時間はかかるだろうが、このメディアの特性を生かしながら、成長させていくことができると思う。コミュニケーションを交わしながらの試行錯誤は、デザインの基本だ。もちろん、それは個人のこだわりというコアがあってのことなのだが、たとえば、昔「ワイアード」のアートディレクションをやっていて何が楽しかったかというと、自分のアイデアを形にした時に、目の前のスタッフの直の反応があったことだった。いいものができたかどうかは、その場の皆の反応ですぐにわかった。反応が鈍ければ、場の雰囲気が変わるまで作業は続く。スタート時点では個人の美意識が強く働いたとしても、アウトプットの"GO SIGN"は共有された場が出していたのだ。あの感覚を久しぶりに思い出している。(アジールデザイン・アートディレクション担当=N)




2000/04/03

糸井重里さんのサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」の中に「どうせだったら広告の勉強もしてやれ! まず、アートディレクターってどういう人」というコーナーがあって、副田高行さんのインタビューが14回にわたって掲載されている。副田さんの話はすごくまっとうで、ちょっと感動した。僕がまだ学生だった頃、つまり80年代のことだけれど、広告はとても魅力的に見えた。今のほうが表現の選択肢は増えているはずなのに、自由な匂いがあまりしなくなっているのはなんでかな、とずっと考えてきた。外野席にいる僕らは、そのことについていくらでも勝手なことが言えるし、実際言っているわけだけど、言いながら「あまり的確なことは言えてないな」と、いつも感じていた。副田さんは、広告制作のど真ん中にいながら、ああいう言葉が出てくるなんてすごいと思う。でも、副田さんが広告の世界で辿り着いたような「まっとうな考え」を僕らがこれから獲得していくには、きっと、全然違う道筋の中で見つけていかなければ仕方がないんだろうな、とも思った。だって、今ではもう経済活動そのものに限界設定が余儀なくされるような時代に入ってしまい、広告の位相もこの10年でガラリと変わってしまったんだから。80年代(あるいはうんと引っ張って90年代まで)の広告がそうであったように、新しいものというのは、前例に当てはまるものがないからこそそう呼ばれてきたのだし。(アジールデザイン・マーケティング担当=A)




2000/04/04

宣伝会議というところが発行している「ブレーン」という雑誌の5月号(今、書店に並んでるやつ) に、「AXIS」誌のアートディレクターである宮崎さんとの対談が載ってます。「ウェブデザインはどこを目指しているのか」というテーマでしゃべっているんだが、われながら話が堅い。頼まれたからといって何でもすぐに語っちゃうというのがよくないんだろうな。どうしていっつも対談だのインタビューだのになるとこうなってしまうんだろうか。どこを目指しているのかなんてそんなもんわからないっつーの。ちなみに、ここのところ読んだものの中でよかったのは「design plex」(2月号) の白根ゆたんぽ vs 今井トゥーンズ対談かな。内容にはまるで意味がないんだが、イラストレーターとしての2人のスタンスがちょろちょろっと垣間見えて、いい味が出てる。いい味出ればもう十分ですよ。だいたい意味なんか追求したってそれでどうなるもんじゃなし、おもしろけりゃいいんだわ。おもしろければ、それがなぜおもしろいかなんて理由はあとからいくらでもつけられるんだもん。でも先に理屈を語ってそのとおりにやればおもしろいもんができるのかっていうと絶対できないんですよ。要するに「語られた意味内容」なんて当てにしてちゃダメってことですな。自分で意味ありげなことを語っておいてなんだけれども。




2000/04/10

「design plex」のアンケートで気になる雑誌について聞かれたのだけれど、気にならないので「なし」と答える。ちなみに、よく読んでいる雑誌は「週刊文春」と「週刊朝日」。新聞は「日刊スポーツ」と「夕刊フジ」。好きな本は、たとえば、勝小吉の『夢酔独言』(平凡社東洋文庫)のようなもの。この本はナンバーガールの向井くんにも勧めたことがある。なぜだかはわからないが両者に通じるものを感じたからだ。ところで、世の中には「老人力」ならぬ「オヤジ力」というものがあると思う。経済誌の世界(戦国武将に学ぶマネジメントとかなんとか)やら接待ゴルフやらといったものは反吐が出るほど嫌いだし縁もないけど、こういうものはオヤジ本来の性質ではなくて、むしろオヤジをまっとうすることを早々に諦めた人間、つまり「オヤジ道」の脱落者がしていることなんじゃないかとにらんでいるのだ。では、オヤジ道とは何なのか。鋭意研究中。




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