1999/08/13 |
お盆だというのに、なんだかやたらと忙しくて、たとえば、このHPなどもっと頻繁に更新したりもっとオモシロイものに変えてみたりしたいし、映画などももっと観たいし、プールにも行きたいし、サッカーもしたいし、いや、でもまあ仕方あるまい、そのような職業を選んでしまったのだから、要するに突き詰めればすべて好きでやっていることなのだから、それはそれでいいのだけれど、調子に乗って、取材を受けたり、出向いて話をしに行ったりしているうちに、だんだん自己嫌悪が強くなってきて、いったい自分は何をやっているのか、この程度の仕事しかしていない自分のような者から何を聞き出そうというのかもわからなければ、それに対して自分が何をしゃべっているのかもわからなくなってきた、そんなことよりも、とにかくもっと仕事がしたい、ただもう仕事がしたい、もっともっとちゃんとした仕事がしたい、そのための打ち合わせならいくらでもしたいし、何でもいい最終的に具体的な姿を現すものをつくりあげることに結びつくなら、それがどんなに遠回りな道のりでも一向にかまわない、でもそれはマーケットだとかコンセプトだとかそんな言葉に置き換えられるものじゃない、そんなものはもうとっくの昔に崩壊してしまったんだ、だってそうだろう、ターゲットっていったい誰のこと? 誰がコンセプトなんかに沿って生きてる? 過去のものから類推したってどうせ何も当たりはしないのだから、すぐにはお金にならなくても、借金してでも、僕らはどのみち自分の実感だけを頼りにやりたいことだけをやっていくしかないのだし、まだカタチになっていないものをカタチにしていくための具体的な提案をしつづけることだけが本当の意味での「仕事」ってもんだろうと思う、そう思うとこれからやるべきことがはっきりしてきてがぜん元気がでてきたので、とりあえず、今抱えている10本あまりの仕事はさっさと「全力で」片づけて、次、行きます。 |
1999/08/20 |
今、進めているデザインの仕事は、音楽、映画、演劇、コンテンポラリー・ダンス、書籍、写真集、フリーペーパー、イベント、ウェブ、雑誌数誌と、内容的にもそれぞれにポップなものからかなりお堅いものまであって、よく言えば多種多様、悪く言えばとっちらかったジャンルに渡っていて節操というものがない。でも、これは昔から思ってきたことだけれど、ひとつのことを深く追求していくことでやっと見えてくるものも確かにあって、それがかけがえのない価値を持つものだということは疑いがないし、仕事を選ぶ時にはそれ相応の覚悟を持ってその世界に入っていかなければならないとしても、それでも、今、僕らが生きている社会では、ジャンルというものが蛸壺のようになってしまっているところがあって、他の場所にもどんどん拡がっていかなければならないことが拡がらず、それぞれの世界の中の評価だけで閉鎖されてしまっているような気がずっとしていて、そのことで失われていくものを取り戻していかなければ、どんな仕事も本当は前に進んでいることにはならないんじゃないか、という思いが消えない。 徹夜作業の合間に、スペースシャワーTVから流れるポップスに浸りつつ、知里幸惠「アイヌ神謡集」、川田順造「無文字社会の歴史」を読んでみたり。ちょっと寝不足。 |
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